みなさんは、セミナー後のアンケート調査を実施していますか?

おそらく多くのセミナー主催者や講師が、コンテンツの見直しや改善を目的にアンケート調査を行っていると思います。
それと同時に今後のビジネスを飛躍させるために、より有効なアンケート内容について研究していることでしょう。

本記事では昨今注目され、多くの有名企業が採用しているNPSについて解説します。
顧客満足度を計測するよりも有効と言われる理由や、具体的な導入方法についてわかりやすく説明していきます。

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セミナーの満足度を可視化してみよう

NPSとは?

NPSとは、「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、日本語では「推薦者の正味比率」と訳されます。

顧客が企業や商品・サービスに対してどれくらいの信頼や愛着を持っているのか?という、これまで数値化するのが難しかった「顧客ロイヤリティ」と「顧客の継続利用意向」を知ることができる指標です。

顧客ロイヤリティ(こきゃくロイヤリティ、英: Customer Loyalty, CL)とは、顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ)とは、顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを指す。ロイヤルティとはもともと忠誠心を表す「Loyalty」から派生しており、企業に対する信頼や愛着の大きさを、ロイヤルティが高い(低い)と表現する。顧客満足度と比べ、感情的に企業やサービスへ持つ強い結びつきを表す概念で、顧客ロイヤルティと表記されることもある。Wikipedia−顧客ロイヤリティより引用

NPSが採用される理由

NPSは大手経営コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーの特別研究員であり、『世界で最も影響力のあるコンサルタント25名』にも選ばれたフレッド・ライヒヘルド氏が提唱したもので、2003年にハーバード・ビジネス・レビュー誌で発表されました。

それ以来AppleをはじめGoogleやFacebook、コストコなど米国の売上上位企業500社フォーチュン500の中で、35%の企業がNPSを採用しているという統計が出ています。

名だたる有名企業がNPSを採用するのはなぜなのでしょうか。

その大きな理由は、NPSは企業の売上高成長率と強い相関性があるという事がわかっているからです。

NPSは「これを親しい誰かにすすめたいと思いますか?」という質問を通して、他人への推奨度を計測します(具体的な方法は後述します)。「すすめたい」と答えるかどうかは、その顧客自身がリピーターになるか否かの判断目安にもなるため、NPSは将来の業績に連動する有効な指標だと考えられているのです。

世界有数のリサーチ&アドバイザー企業であるガートナーグループが「将来の収益の80%は既存顧客の20%がもたらす」と発表しているように、今後の企業成長には既存顧客のロイヤリティが大きな鍵を握っていることが理解できます。
NPSを活用して既存顧客のロイヤリティを把握し、日々サービス改善をおこなっていくことで将来の業績に良い影響が出ると考えられているのです。

NPSと顧客満足度との違い

NPSが顧客満足度と異なる点は、今後の収益性に連動し業績との相関性が強い指標であるという事です。

そもそもNPSが考案されたきっかけは、これまで一般的に行われてきた「顧客満足度調査(CS調査)」の結果が、売上高に連動しないというケースが多く見られたからです。

実際 ある調査では、別会社のサービスへ”乗り換え”した顧客の約80%が、直前の顧客満足度アンケートでは「満足」もしくは「とても満足」と回答していたという調査結果があります。このことから顧客満足度が高くてもリピート(継続購入や再購入)してくれるとは限らないという事がわかります。

みなさんも心当たりがあるかもしれませんが、購入者が回答する「満足」という判断には、「自分が購入したんだからもちろん満足な結果だ」とか、「お金をかけて連続講座に申し込んだのだから満足するはずだ」という自己暗示的な気持ちが働いている可能性があります。

その点NPSは、親しい人への推奨度を問う計測方法を取るため、ある程度の責任感を持って冷静に回答される傾向があります。また前途の通り、「人にすすめたい」という判断は自らがリピートする可能性も高いということです。

NPSの導入方法について

セミナー業界でもNPSの導入は有効と考えられます。
今後セミナー参加者数を伸ばしていくために、さっそくセミナー終了後のアンケートにもNPSを計測する質問を取り入れてみましょう。

NPSの測定方法

NPSの測定方法はとてもシンプルで、すぐに取り入れることができます。

・「あなたはこのセミナーを親しい友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」
・「上記のように評価された理由を具体的に教えてください」

という2つの質問を追加するだけです。

1つ目は”究極の質問”と言われているもので、この質問の点数によってNPSは算出されます。

2つ目の質問では、自社の強みの再認識やこれから改善すべき点のヒントを得ることができます。自社が意識していた強みと顧客の受け取り方にギャップがあったり、逆に新たな強みの発見があったり、インサイトの宝庫です。必ず2問をセットで追加することをお奨めします。

セミナーアンケートの作り方と活用方法はこちらの記事からチェックしてください。

NPSの分析方法

複数の顧客に対して前途の”究極の質問”を行い、他人への推奨度を0から10までの11段階で評価してもらいます。その結果に基づき、顧客を3つのグループに分けます。

点数 評価グループ
10〜9 推奨者
8〜7 中立者
6〜0 批判者

NPSは、推奨者の割合から批判者の割合を引いて出た数値です。
例えば、100人中60人が9点以上なら、推奨者は60%、6点以下が20人いれば批判者は20%なので、NPSは+40となります。

平均的にはNPSが12ポイント増加すると、企業の成長率が倍増すると言われ、問題解決のための施策を行った際に、前後調査で数値を見る場合には非常に有効である。Wikipedia−NPSの調査分析より引用

NPSのデメリットと課題

NPSはとてもシンプルでわかりやすいというメリットの反面、推奨度を0〜10で採点するというとても感覚的なジャッチになります。
評価グループ分けの境目となる9と8の違い、7と6の違い、この1段階の「差」というのは人によって様々な判断が生まれ個人差が出やすいのが実情です。

また、「5点が中間くらいの評価」という概念がある我々日本人にとって、6点以下が「批判者」に分類されるのはなんだか違和感があります。

これは6点以下が落第点となる米国の採点方法を基にしているところに原因があります。そのため、日本でNPSを活用するには、お国柄を考慮してより日本人向けに進化させる必要があると言われています。

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さっそくNPSを取り入れてみよう

本記事で、NPSへの理解が深まった事と思います。
これまでのアンケートにNPSを導入していなかった方は、ぜひ活用してみてくださいね。

友人を誘いたくなる、同僚に奨めたくなる、家族にも紹介したくなるNPSが高いセミナーを目指して、構成や内容のブラッシュアップをしていきましょう。

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