オウンドメディアの運営は、多くの会社にとって大きな課題です。
十分に活用できれば、広告コストの低減や売上向上の効果、ファンの獲得などさまざまな恩恵が得られます。
とはいえ、オウンドメディアには成功事例のあれば、逆に失敗する事例もあります。
チームで共有しているペルソナがない
非常に初歩的な話ですが、「チームがペルソナを共有していない」というのは、典型的な失敗事例です。
オウンドメディアのコンテンツは、すべてペルソナに対して作成されていなければいけません。
ペルソナに対して作成するからこそアクセスが集まり、顧客を獲得できます。
しかし全員がペルソナを共有していないと、どこかでニーズにないコンテンツが構築されてしまいます。
すると、見込み客からのアテンドが確保できなくなり、さらには滞在時間やPV数に悪影響が出ます。
当然成果は発生しづらくなるし、さらには検索エンジンからの評価も損なわれるわけです。
したがってペルソナは、チーム全体で深く共有することが重要です。
キーワード至上主義
また、SEOを意識しすぎるあまり、「キーワード至上主義」に陥るのも、典型的な失敗例です。
たしかに、SEO対策を実施するうえでキーワード設定・分析は重要です。
きちんとキーワードを見据えて制作しているからこそ、ペルソナがホームページへ訪れるようになり、アクセス数を確保できる仕組み。
ただしペルソナをCTAまで導くという目標のもとで、キーワードばかりを追いかけるのは危険な考えです。
たくさんのキーワードを盛り込んでおけば、ユーザーから評価されるわけではありません。
キーワードが最低限でも、本当にユーザーが求めている情報が発信できて、なおかつCTAと結びついているのことのほうが重要です。
そもそもGoogleは、「過度なSEO対策をしているWebサイトやページには、ペナルティを与える」と表明しています。
つまりキーワードを執拗に追いかけていく施策は、むしろSEO対策上で不利に働きえるのです。
コンテンツとCTAが一致していない
また、コンテンツとCTAが一致していないというのも、オウンドメディアでありがちです。
コンテンツは、最終的にCTAへ導くものとして設計されていなければいけません。
しかし時として、「PVを取るため」だけにコンテンツを制作し、CTAは度外視しがち。
結果として、PVあるけれど、肝心なCTAには至らないというケースが発生するわけです。
自社の主張がない
オウンドメディアにおいて自社の主張がないというのは、かなり危険な兆候です。
なぜなら企業なりの主張がないと、「オウンドメディア自体の信用性が疑われるから」です。
たとえばある記事において、「市場調査においては、インタビューが必須だ」ということを記述したとします。
しかし一貫した主張を持っていないと、別な記事で「市場調査にインタビューは必要ない、大事なのはツール活用だ」というようなことを言いかねないのです。
当然、記事と記事の間で矛盾が生じているのであれば、オウンドメディアの信憑性は著しく低下しますし、サービスや製品に対しても疑いの目を向けられます。
さらに「主張しないことで、何も伝えられない」という問題も出てくるでしょう。
最終的にはCTAすることを目的に運用するわけですが、そのためには「自社の製品を使えば、成功する、メリットが得られる」ということを伝えなければいけません。
しかしその主張が展開されていないのであれば、CTAに着地させることは困難です。
このように「主張がない」というのは、ニュートラルな立場に見えて実はたいへん危険な状態です。
冗長な内容のコンテンツ
細かいところで言えば、冗長な内容のコンテンツも失敗の原因です。
オウンドメディアでは、充実したコンテンツを投稿する必要があります。
しかし充実しているのと冗長であることは、似て非なるものです。
たとえばあるビジネス戦略を解説する必要があったとします。
これが無駄なく文章構築され、ユーザーが「わかりやすい」と思えるのなら問題ありません。
しかし遠回しな表現で、たとえばいつまでも結論や具体的な手法に触れないのであれば、これは冗長であると言えます。
冗長なコンテンツはユーザーを遠ざけ、さらにはPV数や回遊率などの指標にも影響を与えます。
冗長なコンテンツを避けるのであれば、プロのライターや編集者へ依頼するという方法があるでしょう。
ただし初心者ライターに依頼すると、冗長なコンテンツが出来上がりがちです。
ある程度実績を持っており、課題や目標について理解できる人材へ相談する必要があります。
レビューされない
コンテンツがレビューされないのであれば、オウンドメディアを駆使できているとは言えません。
なぜならオウンドメディアは、継続的にネット上でシェアされることで効果を発揮するからです。
webマーケティングの観点から言えば、「オウンドメディアが第三者に、他の媒体(アーンドメディアなど)で共有されること」は、たいへん重要だとされています。
たとえば、誰かがSNSでコンテンツやサービス、製品を称賛したとします。
となるとそれを見たユーザーが、新規リード顧客として流入してくる可能性があるのです。
こうした称賛は「サイテーション」と呼ばれ、オウンドメディアに限らずさまざまなカテゴリのメディアで重要視されます。
しかしサイテーションがなければ、PV、ひいてはCVを得られるチャンスは低減されてしまいます。
もしレビューが確保できていないなら、オウンドメディアの影響力はきわめて限定的な範囲でとどまるでしょう。
PDCAサイクルがない
PDCAサイクルを持たないオウンドメディアは、将来性に欠けると言わざるを得ません。
なぜならオウンドメディアは、「継続的に改善されることを前提としたマーケティング手法」だからです。
たとえば「コンテンツでは自社の主張を聞いてもらうため、口コミなどは掲載しない」という手法を取ったとしましょう。
となると、「客観性がないから、記事は信用できない」と判断される可能性があります。
もしPDCAサイクルの途上であれば、「口コミを追加しよう」というような改善案が見つかります。
しかしPDCAサイクルがなければ、そのコンテンツはずっとペルソナには必要とされないまま。
そのようなコンテンツが蓄積していくと、オウンドメディア自体が「必要のないもの」になってしまうというわけです。
オウンドメディア運営代行